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三春物語613番「旧沢石村垢潜権現講」


垢潜権現講


三春郊外北西二里余、旧沢石村垢潜では、旧暦十一月八日の「山じまい」の午前中に、垢潜鎮守火雷神社に集まります。


拝殿に「三山の掛け軸」を掛け、先達の祝詞について唱和して山の神々に感謝します。


その後に、待ちまわりの「宿」で生臭を使わない「精進料理」を作って一同で食します。
 


三春では、三春郊外南東一里の旧蛇石村にもありました。





三春昭進堂代表 菓匠髙橋龍一

| ryuichi | 04:00 | comments (x) | trackback (x) | 旧沢石村::青石 |
三春物語576番「垢潜火雷神社」


三春城下北部、垢潜(あかしろ)集落にある火雷神社です。
案内板によれば、
「京北野天満宮に発し、平将門一族の流浪地に祀られたことから起こったものとされる。
当社も当初は小さな祠であったが、この地に社殿を建立し、同地の守り神として現在に至っている。祭神は火雷神で農耕の神である」としてあります。
祭礼のときに奉納される「垢潜三匹獅子」は、三春町文化財にで指定されています。




私たちの祖先は、山や木や岩、あるいは風や火や水といった自然の現象の中に神の存在を感じて畏れ敬いました。
そして部族の者達が飢え苦しむことの無いように、農耕や狩猟や漁業の収穫をそうした自然の神に祈ったのです。これが天神様の原型でした。
 農耕民族にとってとりわけ大切なのは雨です。
その雨を降らす雷様を、古代人は「天神」として崇拝したと考えられます。 「続日本後紀」のような古い記録に、豊作を祈願して雷公を祀ったとありますが、現在の北野天満宮の本殿前にある火之御子社がそれです。
後に菅公を北野にお祀りするようになったのも、菅公が『火雷天神』という神号を持っていたからだと言われています。




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| ryuichi | 04:47 | comments (x) | trackback (x) | 旧沢石村::青石 |
三春物語85番 「青石マタギの災難」




三春城下最北部の青石という村に伝わる昔話です。
ある年の冬のこと。
 一人のマタギが、隣国の岩代で雪山のなかで獲物をおっかけているうちに、すっかり日が暮れてしまいました。
 さてどうしたもんだろうと、辺りをみまわすと、それほど遠くないところに、ポツンと一つ明かりがみえました。
「これは、天の助けだ」
 マタギは、明かりのほうへと歩きだしました。
 雪の中をころがったり、尻餅をついたりして、やっと辿り着いてみますと、それは炭焼き小屋でした。
 ドンドンドン
 マタギが小屋の戸をたたくと、百姓が顔をだしてきました。
「おら、青石からこの山さきた、マタギだども、山ん中でこの大雪だ、家さ、帰ろうにもかえられねえ。なんとか一晩、どこぞの片隅でええから、泊まらしてくれねえべか」
 マタギが、すがるようにして頼むと。
「ああ、ええとも、ええとも。まんずこんなあばら家だが、入ってけれ」
 百姓はこころよく、マタギをむかえ入れて、炉端へすわらせました。
 マタギがホッとしていると、百姓がこんなことをいいだします。
「実は、一つ頼みてえことがあるだ。こんな大雪だども、おら、なんとしても下の村さおりていかねばなんねえ用事があってな。ちょうどいいぐあいに、おめえさまがきてくれた。なんともすまんだども、じきにかえってくっから、ちょっとのあいだ留守をたのまれてけれ」
 マタギは、小屋に入れてもらったお礼にと、
「ああ、ええとも、ええとも。おやすいご用だ。安心していってけれや」
と、留守をひきうけました。
「それをきいて大だすかりした。ただ、火をもやすことだけは、忘れねえようにしてけれや。そこのすみっこにたきぎがなんぼでもあるから、どんどん燃やしててけれ」
と、いいのこして、百姓は大雪のなかをいそぎ足ででていきました。
 マタギは炉端にポツンと独りすわって、たきぎをくべているうちに、体も暖まってきたし、疲れもでてきたので、いつのまにかウトウトと、眠ってしまいました。
 ハッと気がつくと、火が下火になっています。
 小屋の隅のほうからたきぎをもってきて、くべながら、
「それにしてもお百姓の帰りは遅えなあ。もっとも、この大雪でこの暗さじゃあ、きっと難儀しているんだべ」
 などとかんがえながら、またウトウトと、眠ってしまいました。
 どのくらいたったのか、ゾクゾクと寒さをおぼえて目をさましてみると、もうすっかり火が消えてしまっています。
「こらいかん、火がきえたら、オオカミのやつがやってくるぞ」
と、たちあがって、たきぎをとりにいこうとすると、小屋の片隅にたてかけてある屏風の陰で、なにやらものの動くけはいがしました。
「はて、この小屋には、今夜はおらのほかには、だれもおらんはずじゃが」
 するとこんどは、ズリッズリッと音がしました。
 またぎがこわごわそっちのほうをみてみると、屏風のむこうに、女の人の首がみえます。
「わあっ、ばけもんだ。た、た、たっ、助けてくれ!」
 思わず叫ぶと、そこらにあった杉の葉やたきぎやらを、かまわずなげこんで、大いそぎで火をつけました。
 火がパッと、あかるくもえあがります。
 すると、なにやらバタバタとにげていくような音がして、やがて静かになりましたが、またぎはもう、生きたここちがしません。
 ガタガタとふるえながら、
「はやく夜が明けてけれ、はやくお百姓帰ってきてくれ」
と、同じことを唱えるばかりです。
 ようやく夜が明けてきました。
 またぎがホッとしたところへ、百姓が村人を四人ばかりつれてかえってきました。
「ああ、すまねがった。とうとう夜が明けちまったが、夕んべはよく眠れたべか」
「いんや、夕んべは、えらいおっかねえめにあった。とても眠れるどこのさわぎじゃねえ」
と、昨夜おこったことを、すっかり百姓に話して聞かせたのです。
 すると百姓は、あらたまった顔になって、
「なんともすまねがった。じつは女房が、急に体のあんべえ悪くなってな、死んでしまったんだ。おめえさまのくる少し前のこんだった。それで、村さ下りて人をよばってこようとおもったども、留守のあいだに火がきえてしまえば、オオカミがやってきて、女房を食ってしまう。はて、どうしたもんだろうと思案しておったところへ、おめえさまがやってきてくれた。それで、おめえさまには悪いとおもったども、黙って留守番を頼んで、でていったっちゅうわけだ。夜中に火がきえたとき、オオカミのやつが、女房ばつかまえてでていこうとしたのだべえ。おめえさまが火をもしてくれたおかげで、助かっただ。怖いめばあわして、面目次第もねえ。これこのとおり謝るで」
と、またぎに頭をさげて謝りました。
 昨夜は、化け物のほうにすっかり肝をつぶしてしまって、オオカミには気がつきませんでしたが、そういわれてあたりをみまわすと、たしかに小屋のゆかに、けものの足あとがいくつかついています。
 マタギは山のなかでなん十年とくらしてきましたが、こんな恐ろしいめにあったのは、あとにもさきにも、これがはじめてだったということです。



| ryuichi | 21:11 | comments (0) | trackback (x) | 旧沢石村::青石 |