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塵壺300号平成28年7月 「伝統三春盆踊り Shall we ダンス?」



伝統三春盆踊り Shall we ダンス?

8月に入ると、三春城下のあちらこちらから盆太鼓練習の太鼓や笛の音が響き渡ります。
盆踊りの本番は、踊り場の地名が残る八幡町を皮切りに、中町、次は新町、そして大町。
また、やわらぎの湯や菊川屋、三春の里など、さらには近在の沢石や要田、芦沢、そして堀越でも、華やかに繰り広げられ、この時期三春は盆踊り一色に染まっていきます。





みはる観光協会・三春町づくり公社観光部主催による「伝統三春盆踊り」は、8月15~16日の2日間、城下大町の四つ角交差点に面して櫓を立てて、盛大に行われます。
月明りと電球提灯、そして、それらを邪魔しないようにと、世界的な照明デザイナー石井 幹子(いしいもとこ)さんのデザインによる街路灯には、女性をよりいっそう美しくみせる仕掛が画されていて、華やかさを醸し出し、趣ある雰囲気と相まって三春盆踊りの楽しさを演出してくれています。




また、同日開催の「百杯宴」およばれ会による磐州通りに配された行燈の灯りが、より一層雰囲気を盛り上げてくれていますね。
盆踊りの衣装の定番ともいうべき踊り浴衣も、和装を気軽に楽しめる唯一の機会として盆踊りに花を添えてくれます。

浴衣というのは、柄も多彩で遊び心もあり、お洒落で、見ている方も着る方も楽しいものです。浴衣に身を包み、しなやかな手つき、流れるような身のこなしの三春盆踊りは、三春城下を幻想的な雰囲気に包んでくれます。





本来「ハレ着」とされている浴衣。
祭礼で山車を曳、神輿を担ぐなど祭り奉仕する人々は、古来より礼装として浴衣を着ていました。
その浴衣の語源は「湯帷子(ゆかたびら)」で、神さまに奉仕する者や、物忌みをする者が、沐浴の後で着る物という意味があったとされています。
また、三春盆踊りでは、手拭や豆絞りを頭に掛け“姉さんかぶり”や“頬っかぶり“をして踊っていました。





昨今の女性は、メイクや髪形もさまざまで、浴衣のお洒落を楽しんでいる可愛い方が多く、手ぬぐいをかぶって顔を覆うのは惜しいようですが、頬っかぶりをする手拭の効果は、深い編笠などと同じように、盆踊りの「仮装性」を表すものだとも考えられています。
顔を隠して誰だかわからなくすることにより、盆にこの世に戻ったご先祖様や三界萬霊の諸精霊がともに踊っているということを表しているとされています。

もちろん、顔を隠すことで、誰彼気がねなく思いっきり踊れるという解放効果もあったことでしょう。

かつては、月明りや提灯、そして松明で踊った三春盆踊り。
旧暦7月15日がお盆の中心とされ、この日は満月ですので街灯のない時代、祖先の魂が迷わずに家に戻れるように真夏の明るい夜をお盆に決めたようです。

また、もともと伝統ある盆踊りの多くは、戦国時代に戦死者の霊を祀る念仏踊りが始まりとされています。時代が下がり、社会が安定するにつれて風流踊りの影響を受けて、地域の楽しいイベントになったのは江戸時代中期以降とされ、時代とともに華やかさが増していったとされています。

仄かな明かりを頼りに踊る中で、厳かで幻想的な雰囲気が作り出され、踊りの輪の中に、ご先祖の方々を重ね合わせ、御霊と一緒に踊っているようだったんでしょうね。
さあ皆さん、浴衣を着て手拭を被り、お洒落をして一緒に踊りませんか?




DANCING WITH THE MOONLIGHT!



おかげさまで、当塵壺も平成3年3月号以来、今月平成28年7月号で300号を迎えることが出来ました。

大勢の方々から「いつも読んでるよ!」「全部採ってあるんだ!」「遠くの親戚に送ってるんだ」などと声をかけていただいたり手紙を頂いたり、お客様にも励まされて何とか続けることが出来ました。

こうして皆様方の力をお借りして、300号を迎えられることできました事、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

今後とも続ける所存ですので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。


さすけねぇぞい三春!   蒼龍謹白   拝


| ryuichi | 05:10 | comments (x) | trackback (x) | 🌸「塵壺」 三春昭進堂 |