2020-09-18 Fri
塵壺350号 福の神「宇賀神様(うがじんさま)」 鷹巣 宇賀石 令和2年9月
福の神「宇賀神様(うがじんさま)」 鷹巣・宇賀石
先ごろ、テレビ朝日の人気番組「ナニコレ珍百景」で、鷹巣の宇賀石にある「宇賀神様」の小さな立看板が取り上げられました。
「宇賀神さまです。お賽銭を必要とされる方はご自由にお持ちください」という不思議な立看板で、友人が番組に投稿・採用されたものでした。
この「宇賀神様(うがじんさま)」は、鷹巣宇賀石地区の旧国道288号に架かる高架橋と郡山東部広域農道が交差するS字カーブの坂道付近にあり、その場所が鬱蒼としていたことや、駐車場がないということもあり、ゆっくりと観る(参拝)ことを遠慮していた場所です。
この放送に至るまでには、様々なご縁が幾重にも重なって在り、今年5月の連休明けに、「舞木のお稲荷さま」、古くは“舞木のいなっしゃま”と親しまれてきた郡山市白岩町にある「高屋敷稲荷神社」に集う方から、この宇賀神様についてのお尋ねがありました。
その時点では「桜の老木の下に何かの祠がある・・・」程度の認識しかありませんでした。
後日、その方から連絡があり、高屋敷稲荷神社の鈴木宮司が、地主である橋本吉正様に連絡を取ったところ橋本様ご自身(ペンネーム橋本史紀)の著書で鷹巣集落の歴史をまとめられた「田村の庄・鷹巣の里を辿る」(自費出版非売品)中に宇賀石の「宇賀神様」の記述があると伺ったということでした。
以来、高屋敷稲荷神社に集う方々や鈴木宮司が、草刈りや雑木伐採等をして、コツコツと整備を始めたというところでの「ナニコレ珍百景」の取材・放送と相成りました。
この宇賀石に祀られている「宇賀神様」の創建は、室町末期の戦国時代までさかのぼり、鷹巣村の庄屋であった松崎氏の氏神であったとのことですから、約500年の歴史がある「福の神様」で、“うげいしさま”と呼ばれ信仰を集めていたと伝わっています。
その福徳は「金運、財運、智恵、五穀豊穣」など、多くの御利益をもたらしてくれる「福の神」と言われ、中世以降に民間信仰として、さらには、「立身出世」の御利益があるとして、武家の信仰の対象でもありました。
また、そのお姿は風化が進んでいますが「蛇神・龍神」の化身と伝わっているように、頭は若い女性かお爺さん、そして胴体には蛇(龍)がとぐろを巻くという容姿であらわされています。
下記は、「田村の庄・鷹巣の里を辿る」を参照しての記述です。
旧鷹巣村の庄屋松崎氏の子孫の方から聞いた話によれば、生来、病弱だったことを心配した家人が、宇賀神様の桜の葉を数枚いただき煎じて飲ませ続けたところ、とても丈夫になったとの事。
また、ある方が桜の枝が年々成長し続けたので農作業の支障になると枝を少し切り払ったところ、その後ケガに見舞われ、以来どんなに枝がのびようと一切ふれないよう大事にされている等々・・聞けば偶然とも片づけられない不思議な霊力が伝わっています。
さらに、鷹巣の古老の方々からは「昔は、カマス(米俵のようなもの)でお賽銭を背負って運ぶほどの信仰が厚い神様として大盛況だった。」と聞き及んでいると記されていました。
そして、橋本家に伝わる話では、あるときお坊さん(修験者?)が現れて「あの神様を大事にすると家が栄える」と告げていったそうです。
前記の“お賽銭を必要とされる方は、ご自由に~”という立看板は“お賽銭を持って行かなければならないくらい困っているのでしょう?”と、橋本さんご自身も“功徳”との思いから設置したそうで、正に「福の神」である宇賀神様に、所願成就を祈願し、その満願成就された方々からの「御利益・福徳の御裾分け」だと考えています。
宇賀神様の御縁日はというと、弁財天の御縁日と同じ「己巳(つちのとみ)」とされ、その縁日には、参拝者が多く訪れて金運・財運アップを祈願していたと想像しています。
旅人の安全を見守るかのように、旧江戸街道・須賀川街道に対して正対する向きで建立されていた宇賀石の宇賀神様です。見通しの悪い場所にある為に、参拝はもちろんですが、前を通行の際は交通安全をお願いいたします。
尚、路上駐車はおやめ下さるよう重ねてお願い申し上げます。
先のナニコレ珍百景での「福の神 宇賀神様」の御利益のある看板登録・採用の謝礼金、3万円を三春町に寄付して来ました。
三春町町長室にて、坂本町長に出演者3人で手渡しです〜〜
自分たちで使うのは御利益がないということで、宇賀神様の周辺整備も考えましたが、三春町を通じて困っている人、特に昨今の新型コロナ対策に役立てていただきたいと寄付をしてきた次第です。
これも宇賀神様への寄付寄進の一環、そして、我々への功徳を積む福徳と考えています。
さらには、地主である橋本様ご一家、高屋敷稲荷神社鈴木宮司、そして、高屋敷さまに集う方々へご縁をいただいたことへ感謝申し上げます。
尚、この宇賀神様の傍にある老桜はエドヒガンザクラと思います。本木は幹内部が枯れ手作りなど外皮によって生息していますが、その元から新しい幹が巨木となり2本育っています。
エドヒガンは寿命の長いことでも知られていて、滝桜も含む「日本三大桜」の他の2本、樹齢2000年と言われる山梨県の山高神代桜(やまたかじんだいさくら)、
そして、岐阜県にある樹齢1500年と言われる根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)はエドヒガンです。
この宇賀神様の桜も宇賀神様の創建が500年であれば、もしかしてどの折に植樹をしたとも考えられます。
そうしますと、宇賀神様の桜、仮に「宇賀石の宇賀神桜」
と呼ばさせて頂きますが、ここ桜の年齢樹齢も500年になるのではないかと考えています。
因みにですが〜 いわゆる花言葉は「心の平安」だそうで、どおりで宇賀神様、そして、高屋敷稲荷神社さんに行くと居心地が良い訳です〜〜
蒼龍謹白 さすけねぇぞい三春! 拝
舞木のお稲荷様の秋祭り
屋敷稲荷神社 秋季例大祭 2020
2020年
10月10日(土) 18:00 宵宮
10月11日(日) 11:00~秋季例大祭
今般のコロナ禍に伴い、参列者及び関係者の安全面、感染拡大防止の観点を考慮した規模を縮小して斎行いたします。
ご参拝の皆様には、ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ご協力賜りますようお願い申し上げます。
問 高屋敷稲荷神社 024-943-6396
| ryuichi | 04:32 | comments (x) | trackback (x) | 🌸「塵壺」 三春昭進堂 |
TOP PAGE △