2022-09-19 Mon
真照寺山内 宝篋印塔(ほうきょういんとう)
宝篋印塔は「一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼経(いっさいにょらいしんひみつぜんしんしゃりほうきょういんだらにきょう)」という長い名前のお経ですが、略して「宝篋印陀羅尼経(ほうきょういんだらにきょう)」といい、このお経を根拠とした塔で、内部にこのお経を納めることを目的としています。
宝篋印陀羅尼は罪障消滅・寿命長養の功徳がある、とされる陀羅尼です。
このお経を、仏像内や卒塔婆に納めれば、天災を免れたり、あの世で苦しんでいる先祖を極楽に導く事ができたり、この世で苦しんでいる人々、貧しい人々を救う事ができるなど、八つの功徳があるといわれていました。

三春藩主祈願所真照寺本堂の前庭に立つ宝篋印塔は、総高2メートル50位。
典型的な関東様式で、隅飾突起がほぼ垂直に立っています。
梵字の周りには円を刻みますが、これは月輪(がちりん)と言い、仏の知徳が欠けることなく円満であるということを示しています。
経曰若有末世四輩。
弟子善男善女為無。
上道盡力造塔。
安置神咒所得。
功徳説不可盡乃。
至或見塔形或聞鐸聲或。
聞其名或富或。
其影罪障悉滅所。
来如意現世。
安穏後生極楽
「この陀羅尼を書写し読誦するか、この陀羅尼を納めた宝篋印塔を礼拝すれば、罪障を滅し、三途の苦を免れ、寿命長遠なることを得る。」
江戸後期の享保の年号と、願主である真照寺を示す日乗山住職の名前が刻まれています。
三春藩領でも未曾有の犠牲者を出した「享保の飢饉」
その犠牲者慰霊のための建立と考えられています。
春陽郷三春城下 御菓子三春昭進堂 菓匠蒼龍
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