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三春物語715番「春の足音~真照寺の水芭蕉・座禅草」


木の芽月とはよく言ったもので、寒さに負けじと芽吹く木々に生命の強さを感じます。
春彼岸も過ぎ、春の気配を感じ始めた北国の小さな城下町三春です。
陽射しだけ見ればずいぶん春めいていました


真照寺の庭園に咲く水芭蕉と座禅草が芽を出し始め、白い蕾が顔を覗かせ始めました。
開花はもうすぐです。




寒さに気を取られて見過ごしがちですけれど 確実に日も延びているんですね

しかし、まだ空気は冷たくて 春の訪れはもう少しかかりそうですが、それほど先のことでもないでしょう。


よく見ると座禅草も茶色い蕾がしっかりと立っていました。

こちらももうすぐ花を咲かせます。



水芭蕉のまっ白な花の芽の力強さに、心も洗われるような思いがしました

水芭蕉の漢字を眺めていると「素(直)な心で」と語りかけられているような気持ちにもなります。
ひねくれないで、真っ直ぐな心と瞳でちゃんと色々な物を見つめなければと日々反省です。



冬の季節もそろそろ終わり。
もうすぐ春ですね・・・・




幕末の長州藩士高杉晋作は「谷梅之助」という変名をつかっていました。
晋作はことのほか「梅」が好きで梅をモチーフとした様々な唄を読んでいます。

軽暖軽寒春色晴(軽暖軽寒春色晴る)
閑吟独向小門行(閑吟して独り小門(おど)に向かって行く)
梅花凋落桜猶早(梅花は凋落し桜はなお早し)
窓外唯聴夕棹声(窓の外ただ夕棹の声を聴くのみ)

     東行(高杉晋作)

「少し暖かく、少し肌寒い」そんな春を感じさせてくれる晴れの日である。
僕は独り静かに詩を吟じながら、小門という海峡の方に身を向けてみた。
外を見ると、梅の花はもう散ってしまっているが、桜の花はまだ咲いていない。
また、窓から耳を傾けると、夕暮れの海を渡る舟の棹の音だけが静かに聴こえている

晋作にとっては、散ってしまった梅の花びらは、もう残り少ない命となった我が身と同じように見えたのかもしれません。
そして、まだ咲いていない桜の花に、晋作はこれからやって来る新しい時代の幕開けを重なり感じたのではないでしょうか。

華麗に輝き、そして散っていった高杉晋作の生涯は、まさに梅の花に象徴されるように、一つの儚い花の生涯であったと言えるでしょう。



「梅の香りや鶯の、来りてあらふ 我が想ひ、
粋な三味線 切れた
    凧、炎 かりたて 新陰の持ちたる魂(たま)は 育まれ、
河豚の刺身の 馬関馬鹿、
今なら見える新しい、息吹の中から丙寅丸、
    どうじゃどうじゃと奇兵隊、
馬も真っ白 長い顔、思いも盛ん
    功山の、乗る人 来る人 弔い人、
霞んで見える その先の 鞭を持つ君 駑馬 駑馬と」

高杉晋作の小唄より


三春昭進堂の白梅が咲き始めました。
例年より少し遅い開花です

| ryuichi | 06:04 | comments (x) | trackback (x) | 🌸三春藩主秋田家祈願所 真照寺::阿吽講「小川ロン独演会」 |