2018-08-13 Mon
八島川小滝の怪談
旧小浜海道。
八雲団地(旧三春病院)を通って、御祭に通じています。
そこから右に別れ、八島川沿いに南成田へ向かって少し行ったところに、農家5、6軒の千代ノ川の村落があります。
この辺りの川には、急に坂道となり、右手に巨岩が重なり小さな滝となり、その間を清流のせせらぎが音を立てている。
旧藩時代には、このあたりの農家の水車小屋があって、谷間一帯には老松雑木が繁り、藤や蔦がはびこり、絶好な狐や狸の棲み処となっていました。
いつの頃か、どこから来たのか、ここに老いた女乞食が棲みつくようになりました。
日中は農家を回って物を乞い、夜になるとこの水車小屋で寝泊まりしていたそうです。
この老婆が、時には持病の癪(しゃく)をお越し、飲まず食わずで寝込むことがありました。
ある秋の事、紅葉が美しかった。
その紅葉林の中で老婆は首をつって亡くなっていた。
見つけた村人達は、その亡骸を後日無縁仏として丁寧に埋葬して、冥福を祈りました。
ところが、その後、夜更けにあの道を通る人は、老婆の呼びかけるしわがれた声を聴くという噂が広がった。
おじけた村人たちは、決して夜更けにあの道を通らなかった。
程を経て、南成田、御祭の両村の人たちは相談して、水車を壊し、老婆の首を吊った木を切り倒して、後生を弔いました。
時代は下がり、村道は改修され、今ではこの怪談話も忘れ去られています。
古い広報三春のコラム「怪奇伝説」参照
春陽郷三春城下 御菓子三春昭進堂 菓匠蒼龍
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