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田村大元神社別火講中
田村大元神社別火講中
私の住む三春町新町には旧三春藩秋田家五万石領内総鎮守、祈願寺真照寺別当「田村大元明王社」現田村大元神社が鎮座しています。その祭礼を司る団体に田村大元神社別火講中という講組織があります。私も二十歳前後から四十一の厄年前までの間在籍しましたが、今年一月任期満了で無事退講することが出来ました。
この別火講中は、明治維新後の三春藩解体に伴い、として三春領田村郡内全域と郡山の一部で運営されてきた「田村大元師明王社」を、紆余曲折はあったものの、昭和の時代になって、新町の大先輩たちが、講を組織して、その心意気で一手に担って、今日まで継承してきました。別火、古くは別の日と書きましたが、別火とは文字の如く、家と釜戸の火を別ける、特別なハレの日を意味し、三春の伝統文化の継承者として家庭や社会から離れて、正月から始まる別火講中の一連の年間行事、二泊三日に及ぶ七月の田村大元神社祭礼の中で、正に寝食を供にして、「田村大元神社」の行事を司っています。
時に楽しく、時に厳しく、実社会では体験出来ないような、様々な役割を通して思慮分別を養い、新町の男、さらには「真の三春人」となって、実社会においてこの発展に寄与する人間つくりを目的として、先輩たちから、脈々と受け継がれてきた、胸を張って誇れる人材教育のための組織だと思います。
仲間がいることで「切磋琢磨」、互いに良い影響を与え、学び合いながら、人は一人では生きられない、支え合う人・喜びや悲しみを分かち合う人達がいてこそ、自分自身も、成長し、生きることが出来るということを、花形である「長獅子」係りそして裏方の「祭典」係り役割の中で、言葉ではなく生きた実学として学んでいただければと心より思います。
わたしたちの人生は芝居の舞台だと言われることがありますが、それぞれに、男の役割、女の役割、金持ち、貧乏・・・・と無限の役割の中の一つを果たしています。いい役もあれば損な役もあります。しかし、自分に与えられた役を務めなくてはなりません。「縁の下の力持ち」という言葉がありますが、縁の下のような陽の当たらない、人目につかないところで、大切な役に立つことをしている人と解されています。役割で言えば、損な役割の人かもしれません。
禅宗の話ですが、洞山良价という昔の禅僧は、「潜行密用(せんこうみつよう)、如愚如魯(にょぐにょろ)」と言っています。愚者のように、潜(ひそ)かに目立たぬように行う、ということ。つまり、ささやかな仕事、目立たぬ仕事に全霊を尽くせ、利益や売名のためではなく、人間としてなすべきことをただ「行え」と言うことです。そしてどんな役であろうと、よそ見をせず、わたしたちは愚直に生きることが必要ではないでしょうか。
新町の先輩たちが築き上げた、別火講中の「いきばり」を忘れることなく、男の修行の場として、おのおの意味を見出しながら、孫子の代まで、「別火講中」を継承していってくれることを切に願うところです。
「寒風に立て」(男の修行)
苦しいこともあるだろう 云いたいこともあるだろう 不満なこともあるだろう
腹の立つこともあるだろう 泣きたいこともあるだろう これらをじっとこらえてゆくのが 男の修行である  山本五十六 (大日本帝国海軍元帥)

 平成17年11月27日掲載


| ryuichi | 09:18 | comments (0) | trackback (0) | 🌸福島民報社「民報サロン」 |
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