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塵壺314 平成29年9月号「柳橋歌舞伎」 平成29年度定期公演




塵壺9月号 №314

「柳橋歌舞伎」 平成29年度定期公演

「問われて名乗るもおこがましいが~」
ご存知白浪五人男・鎌倉稲瀬川の場より日本駄エ門の台詞はどこかで耳にしたことが一度はあるんじゃないでしょうか?

初秋の風物詩「柳橋歌舞伎」が柳橋歌舞伎保存会と柳橋町内会、そして郡山市立御舘中学校の生徒によって同伝承館にて開催されます。
子供から大人まで練習を重ねた役者や囃子方の義太夫や三味線は勿論、舞台セット、台本や化粧、そして衣装・着付けにいたるまで総勢百名を超す柳橋地域を挙げての大舞台です。

夜の帳が降りる頃になると会場は詰め掛けた大勢の地域住民や観光客などの見物人が、拍手やかけ声、おひねりを送って大変な盛り上がりを見せます。

柳橋歌舞伎は、農閑期の楽しみとして旅役者に教わった歌舞伎・義太夫や三味線などの芸事が盛んに行われ、柳橋菅布禰神社秋の祭礼の折、五穀豊穣の御礼にこれらを奉納しては村人皆で楽しんでいたことが始まりになったといわれています。

江戸時代この柳橋地域は江戸徳川幕府直轄領の天領で、他の藩地に比べて領主の介入、そして年貢の取り立ても比較的おだやかであったため生活にゆとりがありました。
また、役人の数が少なく、取締りをほとんど受けることなく芸事ができたため、娯楽としての農村歌舞伎が現在まで伝わったと考えられています。

江戸時代末期になると、歌舞伎興業となり、他領にいって上演されるようになりますが、明治維新後、時の政府は芸能の興業を取り締まったため興業は行わず菅布禰神社秋の祭礼のみに盛大に奉納されるようになります。

明治20年代以降は、日清、日露戦争などがあり、出演者不足などで中断せざるを得なくなります。
しかし、大正5年、宗像平吉、宗像亀佐、宗像武男等は祖先から伝わる歌舞伎を絶やしてはならないと「柳橋歌舞伎研究会」を結成し、尾上幸三郎(白河)を振付師匠に招き、竹本藤太夫(木目沢地区、藤宮源太郎)の指導で上演を再開します。

昭和47年、音曲担当者がなくなり伝承困難になりますが、柳橋歌舞伎は脈々と続けられ、昭和55年には柳橋地区全戸が「柳橋歌舞伎保存会」会員となり、古のように菅布禰神社の祭礼に上演して以来今日へと続いています。

昭和58年3月には「柳橋の歌舞伎」として郡山指定重要無形民俗文化財に指定、平成15年5月には、江戸時代から受け継がれてきた衣装を含めた歌舞伎衣装17点が、重要有形民俗文化財に指定されます。
現在演じられる演目は、絵本太功記・義経千本桜など、13題を数えます。(柳橋歌舞伎保存会パンフレット参照)

尚、10月には、御舘中学校「みたて祭」があり、生徒による柳橋歌舞伎の発表があります。ここでも役者や三味線、そして裏方の解説や化粧にいたるまで生徒がすべて行っています。
美しく豊かな自然、そして伝統と文化を誇る柳橋。表舞台のお芝居も舞台裏も、郷土を愛し、伝統芸能を愛しこれを継承発展させたいという柳橋住民の熱意と努力そして、汗と笑いと涙ありの人情によって受け継がれ柳橋の自慢となっています。

同日開催「秋蛍~海老根、長月宵あかり~」海老根和紙漉保存会がお送りする手漉き和紙で作られた灯ろう約1000個が会場周辺に並べられ、夕闇の中350年の伝統の和紙で綾なす柔らかい明かりは“秋の蛍”のように彩を放ち海老根を幻想的な雰囲気に包んでくれます。
海老根手漉(す)き和紙は、中田町海老根に江戸時代から伝わる伝統の和紙で、一時は途絶えましたが平成10年に海老根伝統手漉き和紙保存会により復活しました。
合掌 さすけねぇぞい三春! 蒼龍謹白 拝







・「柳橋歌舞伎」 平成29年度定期公演 

柳橋歌舞伎保存会

平成29年9月17日(日) 午後3時開演 午後4時開演
会場 柳橋歌舞伎伝承館(郡山市中田町柳橋字町向·黒石荘)
演目一、白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場 (御舘中学校生徒)
二、義経千本桜 伏見稲荷鳥居前の場 (御舘中学校生徒)
三、神霊矢口渡 頓兵衛住家の之場 (柳橋歌舞伎保存会研究部)






・「秋蛍~海老根、長月宵あかり~」 海老根伝統手漉和紙保存会

日時 平成29年16日(土)、17日(日)午後6時から午後9時まで

会場 中田町海老根伝統手漉和紙工房周辺及び柳橋歌舞伎会場周辺




春陽郷三春城下 御菓子三春昭進堂 菓匠蒼龍


| ryuichi | 04:50 | comments (x) | trackback (x) | 🌸「塵壺」 三春昭進堂 |