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三春物語53番 春陽三春の祭事「春夏秋冬」
      春陽三春の祭事「春夏秋冬」
三春城下に除夜の鐘を聞が響き、新年を迎えます。一年の始まりは各地域の鎮守様で「元旦祭」が挙行され、そして初詣、西方の「水かけ祭り」柴原・貝山・七草木・成田等の「悪魔払い」と呼ばれる獅子で悪疫を祓います。
そして正月明けに「ドント焼き」が随所で行われ、一年の無病息災を祈る大事な「祭時」事です。
三春には、季節の訪れを告げる「祭事」が今も大切に受け継がれています。
春になり、真照寺の水芭蕉が咲き始め、城下町に桜の便りが聞こえるころ、八幡様の祭礼が本格的な春の到来を告げ、満開の桜の下で王子様に豊作を祈ります。
新緑を過ぎ、夏には棚機津女と呼ばれる神に仕える女性が、災厄を除いてもらうために神の衣を縫ったといわれる神話と豊作を祖霊に祈る祭りが「七夕」となり、明王様の祭礼と天王様の祭礼で無病息災を祈り、梅雨明けとともに本格的な夏を迎えます。
秋は、豊作を祈る、愛宕様、天神様そして別格総鎮守である三春大神宮の例大祭。
晩秋、三春の在郷では、実沢高木神社、富沢天日鷲神社そして樋渡神社の三匹獅子舞や斉藤見渡神社神楽が奉納されて、収穫に感謝し来年の豊作を祈る祭りが紅葉に彩られた里山にいっそうの賑わいを見せながら冬を迎える準備に入ります。
北国の秋祭りには、「鎮魂」、魂に体を繋ぎ止めること、そして「魂振り」冬に備え活力を与えるという二つの役割があるといわれます。
このように、三春の祭りは、四季という春夏秋冬の大きい単位での各種祈願や、感謝そして節句、さらに商売繁盛、家内安全など個々的な祈願など八百万の神様に祈りをささげてきました。
本来祭事とは、神職が本来人目に触れないところで密やかに神を祭る神事でした。
しかし、隠されれば見たいと思うのは、今も昔も変わりません。
やがて神事を見るために人々が集まりはじめ、お囃子や神楽などが華を添えるようになります。「人が集まれば市が立つ」なのでしょう、露店が立ち並び人出にいっそう拍車がかかり、現在の華やかで賑やかな祭礼の形が出来上がってきました。
しかし、今日では、祭事本来の意味が希薄になり、祭りを行うこと自体が目的になりつつあるように感じます。
「祭事」本来の意味とは、無病息災や五穀豊穣祈願という神事の部分があります。もう一方では、寺社仏閣の祭事を司る様々な役職が持ちまわりや年功などの順番制になっていますが、氏子・総代とも故知十分の間柄ですので、少々力不足と思われる方が長になったときなど周りの方々が何かとサポートをして、大役を無事終えることが出来ます。
その順番制が地域の人々が心を一つにまとめる大きな役割を担っていると思います。
日々の生活という日常の中で、季節ごとに脈々と受け継がれてきた、非日常的な地域の祭事という空間を作り、同時代をともに生きる者としての結びを強め、人々は人生の意味を実感してきたのでしょう。
新春を迎えるにあたり「祭事」本来の意味を考え、素直な心で無病息災を神様に祈り、祝い事が増える幸せな一年にしたいものです。
   蒼龍謹白     合掌



| ryuichi | 21:22 | comments (0) | trackback (x) | 🌸三春城下歳時・風土記::歳時記 |
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