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三春物語69番 「真夏の怪談」


三春の郷は、城下町らしくお寺がたくさんあります。
もちろん山郷にも各地区それぞれにお寺やお堂そして地蔵など怪談には欠かせない場所です。
特に、真夏は怪談と幽霊の季節です。
この時期になると芝居や盆興業に幽霊物が多く扱われるのは、盆の精霊祭りの時期だからです。
盆堤灯がともり、先祖の精霊が帰って来て祀られ、供養されます。
これとともに招かれざる精霊たちも、このときゾロゾロと大挙してやってきます。
すなわち祀るべき子孫の今は絶えてしまった精霊、この世になにか恨みが残っていて浮かばれない精霊もやってきます。
幽霊は「うらめしや」といいながら現れるというのが今日常識のなっているように、人の死霊で祀られないか、この世に怨みが残ったまま他界して、他界に安住して平素は子孫訪問のできないものが、幽霊となって出現すると考えられていました。盆に幽霊物の芝居のはやるのも故あってのことだったのです。

暑くて寝付かれない夜は、縁台に座って、子どもたちは大人からおばけの話を聞きました。キツネやタヌキが人をだます話、ガタロの話、人魂や幽霊の話、一つ目小僧や傘おばけ、そしてロクロク首など数え切れませんが、子どもたちは大人の話に夢中になって怖がったり悲鳴をあげて、よけいに寝付けない子もいました。
こんなとき、親や祖母から祖先の話などを聞かされて、盆には返ってくると聞いては、どんな人だろうと子どもなりに祖先を忍んだものです。
盆の十四日、あの世である彼岸から、この世の此岸へ祖先が橋を渡って帰ってくる。
そこには眷属たち餓鬼がついてきてその橋で待っているという笠形(かさがた)の石橋詣りの行事があります。
夕暮れ時、火のついた線香をもって寺の要り口である石橋に行き、線香を立ててお茶を注ぐ施餓鬼の行事です。
橋は、我が住む此方に対して、川の向こう側を架け渡すという現世と浄土の渡しであり、また境であると考えられていたのです。
子どもたちが折りにふれて聞いたおばけや幽霊、餓鬼などの話は、頭に描くイメージがその子のおばけであり幽霊であって、その中から先祖の住む他界の姿を見、子どもの夢とロマンも託されていたのです。



| ryuichi | 17:34 | comments (0) | trackback (x) | 平成版三春怪奇伝説::三春城下夜話 |
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