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塵壺406号 「直毘神社(なおびじんじゃ)と四道将軍(しどうしょうぐん)」 令和7年5月発行



 塵壺406号 「直毘神社(なおびじんじゃ)と四道将軍(しどうしょうぐん)」 令和7年5月発行

岩江地区の舞木や日影、そして郡山市西田町の根木屋、木村などの地名が直毘神社に由来した話が伝わっています。

昔、上舞木にある権現さまと呼ばれる二社大明神(現直毘神社)の境内に大きな櫟(くぬぎ)がありました。







夕方になると、この櫟の影が十町(1090m)も延び、影が届いたところは、「日影」と名付けられたと伝わっており、三春茶屋のちょっと三春よりにある橋、これを日影橋と呼ばれています。

そして「舞木(もうぎ)」という地名の由来は、ある時、もの凄い風が吹いてこの大木が根こそぎ空に舞い上がった。それからこの地を舞木と呼ぶようになったといわれています。  

さらに、根が落ちたところを根木屋と名付けられ、幹が落ちたところを木村と名付けられたといいます。


※根木屋は、根際(ねきわ)から”ねぎや”へ転じ、木村は、きうら、木末(きうら)、きむらへ転じたと伝わっているそうです。







そうした由来の元となる今の上舞木に鎮座する旧舞木村の村社「直毘神社」は、御祭神として、伊奘諾命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、神直毘神(かみなおびのかみ)、大直毘神(おおなおびのかみ)の四柱の神が祀られています。


 社伝を観ますと、今から二千有余年前、第10代崇神天皇御代10年に諸国鎮撫の為、「まつろわぬ者たち」を征伐するために遣わされた四道将軍(しどうしょうぐん)のゆかりの場所と伝えられています。







 この四道将軍とは『日本書紀』に見られる、崇神天皇が全国平定を目指して派遣した皇族の四人の将軍のことで、東海方面には武渟川別命(たけぬなかわわけのみこと)、北陸方面には大彦命(おおひこのみこと)、西道(山陽)方面には吉備津彦命(きびつひこのみこと)、そして丹波(山陰)方面には丹波道主命(たんばみちぬしのみこと)が、それぞれ将軍として皇軍を率いて平定に向かい出陣します。


 直毘神社(旧二社権現)の由来書には、磐城に入られた四道将軍の一人である武渟川別命将軍率いる皇軍の軍勢は、夏井川の南西の山道より陸奥の真冬を田村郡(たむらこおり)の山奥に進軍して行きます。







その行軍中、道がますます険しくなるばかりか寒さが一段と厳しく、さらに連日の吹雪で疲労と凍傷に悩まされます。阿武隈川の流れを渡り、氷雪の安積平野を横切って、奥羽山脈を越すことは情けにおいても偲び難く、部下思いの武渟川別命将軍は、『朝日さし夕日なお照る』向きの良い場所を選んで軍勢を休めることにしました。


これが今の直毘神社の周辺であったとされています。

 その休息の際に、武渟川別命将軍は、手頃な櫟の木を求めて幣を結んで四柱の神をお祀りし、草々のお供えものを捧げた。

 この四柱の神を二つの社(やしろ)に祀ったので二社権現と称し、凍傷や病気に悩む兵の平癒と戦勝の祈願したのが、現在の直毘神社であるとされていると記されています。

 尚、二社権現を直毘神社と改称したのは、明治六年(1873)のことです。







四道将軍といえば、会津の地名の由来も関連してきますので添えておきます。

 先の武渟川別命は、東海方面を海路進軍して常陸に上陸、岩城から小野、仲田、中郷、鷹巣を経て、後の直毘神社付近で一泊し、二社権現にて戦勝祈願し、さらに北小泉から阿武隈川を越えて、保成(母成)峠から会津に入ります。
 一方、その父である大彦主命は、北陸方面を進軍して阿賀川を上り、今の会津まで進軍したところで、武渟川別命と戦陣にて親子の対面を果たしたと伝えられています。

 ※大彦主命(大毘古命)と武渟川別命(建沼河別命)親子が、無事に会えた場所から相津、転じて“会津”の地名が付いたとされています。


       蒼龍謹白 拝 さすけねぇぞい三春!









直毘神社参道石段入口に立つ石灯籠

江戸時代後期の奉納ですが、内藤氏、栗山氏、荒木氏、影山氏、のご先祖様のお名前が見えますが、薄井氏の御名前も見えます。

夢のデパート うすいの薄井家のご先祖様です。









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 皆様のご用命をお待ちしています。

店主敬具






三春城下御菓子三春昭進堂 菓匠蒼龍

| ryuichi | 03:13 | comments (x) | trackback (x) | 🌸「塵壺」 三春昭進堂 |