2009-09-30 Wed
真照寺一宇の宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、滅罪や延命などの利益から、追善(死後に供養すること)・逆修(生前にあらかじめ供養をすませること)の供養塔、墓碑塔として、造立されました。
宝篋印塔は、一切の災難から免れることを願い、塔身部〈とうしんぶ〉(塔中央の梵字を刻んだ部分)に宝篋印陀羅尼経という経典を納めるところから、この名があります。古い年代のものほど笠部の四隅にある隅飾突起〈すみかざりとっき〉が直立し、年代が下るほど反り返った形になります。
宝篋印塔は「一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼経(いっさいにょらいしんひみつぜんしんしゃりほうきょういんだらにきょう)」という長い名前のお経ですが、略して宝篋印陀羅尼経(ほうきょういんだらにきょう)といい、このお経を根拠とした塔で、内部にこのお経を納めることを目的としています。
三春藩主祈願所真照寺本堂の前庭に立つ宝篋印塔は、総高2メートル50位。
典型的な関東様式で、隅飾突起がほぼ垂直に立ち、南北朝時代にまで遡ることを示しています。
本塔は、三春現存の宝篋印塔でももっとも古いものに属し、意匠的にも秀れた貴重な遺物です。
経曰若有末世四輩。弟子善男善女為無。上道盡力造塔。安置神咒所得。功徳説不可盡乃。
至或見塔形或聞鐸聲或。聞其名或富或。其影罪障悉滅所。来如意現世。安穏後生極楽
三春昭進堂 髙橋龍一
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