「吾・唯・足・知」
御免町にある臨済宗福聚寺の中庭に、石庭で有名な京都の龍安寺へ水戸黄門光圀公が、時の住職に贈ったという「つくばい」を模したつくばいがあります。
  このつくばいは、お茶のときに使う水が湧き出るために、直径三尺ぐらいの円形の石のなかに、四角い穴を穿ち、その右まわりに「吾・唯・足・知」の四文字が刻んであります。
  この四文字を、何と読みますか?ある人は「京都見物にでかけて、足が痛くなっただけなのを知った」と、笑うに笑えない話しもありますが、一般には{われはただ足るを知る}または{われただ足ることを知る}と解します。足るというのは、満足という意味です。
読むことはできても、言葉の本当の意味を知ることは、大変むずかしいことです。そこで{満足}と{不満足}について考えてみましょう。
  もちろん、人間には、欲があるからこそ生きているといえます。しかし。その欲にも限界が必要だということを、他人事として考えれば、すぐわかることですが、自分のことになると、わからないから不思議です。
  「仏遺教経」には、{知足の者は、賎しといえども富めり。不知足の者は、富めりといえども賎し}とあります。すなわち、満足を知った人は、物質的に貧乏であっても、それはお金持ちと同じである。
  逆に満足を知らない人は、その身がお金待ちであっても、それは貧乏人と同じである。と説きます。

播揚物外紹播和尚 地蔵堂
江戸初期、李田に生まれました。三春福聚寺の悦峰西堂の弟子となり、宇都宮興禅寺、館林慧林寺、京都妙心寺等に参禅・住持して、宍戸藩主の秋田実季の招きに応じ宍戸高乾院に赴きました。
江戸幕府二代将軍秀忠の江戸城への招きや伊達政宗の瑞巌寺開山の誘いを固辞して参禅者に教えを説いたと伝えられています。
現「物外地蔵堂」は、その母が子供の出来ないのを憂い、平沢の地蔵堂に三年間願を掛けたお地蔵様を安置してあります。
また、雲水として行脚を続ける、物外禅師も故郷三春を訪れた時にはこの地蔵堂の脇に設けられた「保春庵」を庵居としていました。
後に、後光明天皇の聖聴に達し、勅諡 播揚大教禅師の諡(おくりな)されています。




田村三十三観音霊場
  第一番芹ヶ沢公園内清水寺(天台宗)千手観音 御免町玉川の上、不動山より移築。
  第二番御免町福聚寺(臨済宗)十一面観音   戦国期の三春城主田村氏の念仏寺
  第三番  荒町華正院(天台宗)馬頭観音  坂上田村麻呂が、愛馬供養のため創設
  第四番  渋池来光院別当霊光庵(廃寺)
  第五番  新館万願寺(現日渡神社)    旧瀬川村新館、高い石段180段
  第六番  北移来光寺(真言宗)千手観音  消防移分団第三部屯所の裏
  第七番  葛路薬師寺(現磯前神社)馬頭観音  北平バス停から徒歩五分
  第八番  中山真善寺(廃寺)堂あり    中山中学校の裏
  第九番  北鹿又照光寺(曹洞宗)十一面観音  農協美山支所徒歩三分
  第十番  新田作絵松寺(現絵松神社)  常葉町に通ずる山間越え、部落公民館の上
  第十一番 西戸長岩寺(曹洞宗)聖観音  国道の上
  第十二番 岩井沢、龍燈山長岩寺御立位(大岩山中)
  第十三番 古道、円寿寺(真言宗)聖観音  山の中腹にあり
  第十四番 上大越、観照寺(曹洞宗)大越町
  第十五番 菅谷、入水寺(曹洞宗)聖観音    鍾乳洞手前左
  第十六番 広瀬、海禅院(臨済宗)十一面観音 広瀬消防屯所上高乾院と縁の深い観音
  第十七番  広瀬、龍蔵寺(真言宗)十一面観音  県道300m西へ、磐越東線沿い
  第十八番 広瀬貝谷の観音十一面観音 小野町境の山中、薬樹王と呼ばれる。
  第十九番  栗出、永泉寺(曹洞宗)聖観音   しだれ桜の名所
  第二十番  門沢、飛龍寺(古義真言宗)淮胝観音  堂山神社、坂上田村麻呂の縁起
  第二十一番 遠山沢、龍泉寺(曹洞宗)千手観音   バス停より徒歩五分
  第二十二番 本郷前、不動院(天台宗)十一面観音
戦国期の館跡にある天台宗寺院。千手、馬頭、子安の観音
  第二十三番 南、大昌寺(臨済宗)馬頭観音  道上、鞍掛、黒石山を間直に見る。
  第二十四番 駒板、常林寺(曹洞宗)水月観音  公民館、店の先急カーブを上がる
  第二十五番 木目沢、観音寺(真言宗)十一面観音    木目沢舘跡
  第二十六番 大久保、大久保観音 聖観音 農家の木戸前を抜け、がさ藪坂道の奥(旧庄屋常盤氏守)
  第二十七番 下枝、蓮蔵寺(曹洞宗)子安観音  立派なお寺、元田村高校教師が住職
  第二十八番 海老根滝の作
  第二十九番 根本、東光寺(真言宗)馬頭観   ダムで移転、新築
  第三十番  滝、龍光寺(曹洞宗)馬頭観音 お堂は、龍光寺の左側
  第三十一番 別当貝山観音(臨済宗)聖観音   白山神社下、高速道路架橋向かい。
  第三十二番 鷹巣、善応寺(臨済宗)聖観音   旧鷹巣小学校右
  第三十三番 西田、梅雪山雪村庵(臨済宗)聖観音   4月23日祭礼

:東邦銀行でこの小冊子を発行



田村公三代の墓