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塵壺6月号「仁―JIN―」三春瀧桜千年の教え
 「仁―JIN―」三春瀧桜千年の教え
 震災にもビクともせず、春になれば、当たり前のように花を咲かせる三春瀧桜。
今年はその当たり前の風景がどれほど人々を安心させ、元気づけてくれたことでしょう。
 リーマンショック以来の長引く不況や、雇用不安の中、追い討ちをかけるよう発生した今回の大震災や原発問題・・・是までに経験したことのないような先の見えない状態の中で、余震や原発関連の報道により、全てに於いて自粛ムードが蔓延していました。
「こんな時」だからこそ、生まれ育った古里の美しい風土を愛し、家族や友人・知人と、季節の移ろいを愛でる心の潤いが大切だという思いを感じた方も多かったことでしょう。
 「三春に春は来ないのではないか?」と、心が折れそうになりながらも迎えた桜前線。ふたを明けてみれば、さすが千年の樹齢を誇る国指定天然記念物「三春瀧桜」です。
三春城下までが大渋滞が起るほどの大変な人出でした。
 開花宣言以来、四月いっぱいの約三週間の間、観桜のお客様が多数三春を訪れ、お花見を満喫したことでしょう。来町した自家用車のナンバーを見ると、県内や近県に混じって、首都圏ナンバー車も例年通りに見かけました。風評なんて「どこ吹く風!」です。
今回改めて思ったことは、お客様の「饅頭を持って震災見舞に行ってくっぱい」と言う笑顔、大切な方々へ甘いもので心を少しでも満たしてあげたいという「仁」の心が、ご来店につながっているのだということです。
震災直後の食料品や燃料などが品薄のときに、食べ物は橋長魚店で「普段通りとはいかないまでも困ることないよ」と食に窮することはありませんでした。
また、ガソリンも、ヤマサンさんに「大丈夫かい?」とこえをかけていただき、灯油もなかやさんから「お彼岸がすぎには入荷してくるから心配しないで」と安心の声をかけていただきました。まさしく「仁」の心なのでしょう。
普段のお付き合いの大事さ、そして心にかけてくれる人のいる安心と幸せを感じました。
「仁」とは、深い人間愛に包まれた思いやりの心です。
人の道を示す普遍的な価値観であると解釈して相手の立場、相手の気持ちになって考えられることです。即ち人の心の温かさにほかなりません。
厳しさの中に温かさ思いやりの「仁」の心を大切にしたいものです。
商人が「仁・・・他人を思いやる心」「義・・・人としての正しい心」「礼・・・相手を敬う心」「智・・・知恵を商品に生かす心」という4つの心を持っていれば、お客様の「信・・・信用、信頼」となり、この「五常の徳」で、商売は繁盛するのだと商いの師匠に教え込まれました。
「商人は商人らしく、ただひたむきに仕事に執心することが人格形成につながるのであり、決して目先の利益やひとときの我欲に惑わされてはならない」ということなのでしょう。平常を取り戻そうとするお客様に、いつもと同じサービスで応える。
それが商人としての勤めであると言う事を痛感しました。
そして先行きの見えないこんな混迷の時代だからこそ、その場しのぎの安易な小手先の改革ではなく、いま一度商人の原点を見つめ直し、実践することの必要性を改めて瀧桜やお客様、そして三春の先輩に教わったような気がします。
  「敷島の大和心を人問わば、朝日に匂う山桜花」本居宣長
    蒼龍謹白     がんばっぺない福島!
              合掌



| ryuichi | 05:17 | comments (x) | trackback (x) | |