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『青いターバンの少女』フェルメール


京都で「フェルメールからのラブレター展」が始まっています。
何とか調整して見に行く予定でしたが、
なんと、この展覧会が仙台の宮城県立美術館で10月27日から12月12日まで開催という嬉しいニュースが届きました。

美術館開館30年記念事業として企画されということ。

「フェルメールからのラブレター展」仙台

【会 期】10月27日(木)~12月12日(月) 9:30~17:00(土日は19:00まで)

【会 場】宮城県美術館

【主 催】宮城県美術館、河北新報社、仙台放送、財団ハタステフティング

【協 力】KLMオランダ航空、東日本旅客鉄道仙台・盛岡・秋田支社
      めんこいテレビ、秋田テレビ、さくらんぼテレビ、福島テレビ

[手紙を読む青衣の女]、
[手紙を書く女]、
[手紙を書く女と召使]
                             
フェルメールでは、『青いターバンの少女』が好きです。
フェルメールといえば窓際光の画風というイメージですが、この『青いターバンの少女』いは窓が配置されていません。
けれどその世界は優しさに満ちた透明な光が溢れていて、静かでありながら生き生きしていて…ゲージュツらしい尖がったところはなくても充分すぎるほどに個性的です。
さらによくよく見ると素朴さのなかに青いターバンというインパクトのある色がつかわれており、さらりその少女は真珠の大きな耳飾とつけていて唇が赤い・・なんとも違和感を感じる絵です。
少女の濡れた瞳が魅力的です。
少し開いたつややかな唇も、なんとも言えぬ魅力を放っています。
別名「青いターバンの娘」とも呼ばれる本作において最も特徴的な、黒色で統一される背景に鮮明に浮かび上がる少女の刹那的な表情は、極めて強烈な印象を与えます。
そして、エキゾチックな、青いターバン、そして東洋的な衣装。
そうして振り向き加減のポーズ全体が、観る者に何かを語りかけているみたいです。
美術館のスタッフは、毎朝その表情が変わると語っているそうです。

一般に、全く奇をてらったところのない、一見地味な画風。
美術史上極めて評価の高いオランダ画家です。
しかし、その生涯は謎につつまれ、フェルメールがどんな手法で絵を製作したか確かなことは何もわかっていません。
また、フェルメールの絵に見られる鮮やかな青は、「フェルメール・ブルー」とも呼ばれる。この青は、天然「ウルトラマリンブルー」という絵の具で、17世紀には金よりも貴重であったといわれ、「天空の破片」とも呼ばれた「ラピスラズリ」という非常に貴重な鉱石を原材料としている。
そして誇張された独自の遠近法。残された作品はほんの僅か。しかも、デッサンが全く残されていません。



アメリカの作家トレイシー・シュヴァリエは、フェルメールのその絵のタ青いーバンから強い印象を受けて、「真珠の耳飾りの少女」という小説を書きました。
フェルメールの人生を模写したフィクションです。

私は、先日、この小説から生まれた「真珠の耳飾の少女」という映画を観ました。
そのフェルメールが映画の中でどのように描かれているのか、謎の多い画家であるだけにとても楽しみでした。映画はフェルメールの『青いターバンの少女』にまつわるエピソードを繊細なドラマとして再現したものです。
ストーリーはともかく、フェルメールの住んだ家、そしてデルフトの町が、フェルメールの絵そのもののように、
とても美しく描かれた、その映像が素晴らしい映画でした。
撮影監督のエドゥアルド・セラが描き出した映像は当時の色使いそのままというような繊細にして神秘的、素晴らしい映画でした。



| ryuichi | 06:12 | comments (x) | trackback (x) | 「日暮硯」堂守ブログ |